一般社団法人秋耕会
代表理事・会長 大山芳子

 皆様、一般社団法人秋耕会の代表理事・会長に就任しました大山芳子です。
 思えば前会長、鳰川宏先生が逝去し半年近く時が過ぎてしまいました。コロナ禍の中、会長不在で会を運営してまいりましたが皆様のお力でやっと総会及び理事会を開催、会長の重責を引き継ぐ事となりなりました。今以上の決意で職務に取り組んでまいりたいと思います。

 今回のコロナ禍で生活スタイルは大きく変わりました。先の見えない世界で夢や希望を沢山の方に与えてくれるもの、それが芸術だと言うことを実感している方も多いのではないでしょうか。作る方も見る方も作品を通じて癒したり癒されたり励ましたり励まされたり。
 イギリスの歴史学者アーノルド・J・トインビーは「危機を乗り越えるためには文化の担い手と成る人々が立場を超えて連帯することが必要」。あのピカソも「芸術は日々の生活のほこりを魂から洗い流してくれる」と言っています。ドイツのメルケル首相は先ず芸術家の生活を守りました。「アートは身近にあり、人間が笑顔で健やかに暮らしていく上で欠かせないもの。そして、困難に直面している我々を勇気づけるもの、アーティストは生命維持に必要不可欠の存在」とまで言われました。
 秋耕会がアートと言う現代社会が最も求めているものを広めることができる機会ではないでしょうか。社会貢献と言う新たな使命にチャレンジしていくチャンスが到来したように感じます。そして、芸術を通して多くの方々と交流をはかり、共に作品の向上を目指していく良い機会にしたいと思います。

 私と秋耕会とのご縁は、創始者のお一人齋藤喜久夫先生が千葉で秋耕会千葉展を催されたのが始まりでした。その後、全国区になりました。私は第6回展から出品させて頂いております。途中で海外生活中も出品し、インドネシアの首都ジャカルタで「秋耕会ジャカルタ展」を開催した時は、会員の皆様が作品を持って来て下さいました。約20年間の海外生活を終え、2002年に秋耕会に復帰させて頂き現在に至っております。
 秋耕会は絵画・工芸・写真と3部門によって切磋琢磨し、協力し合ってここまで参りました。これからも、一部の部門に偏ることなく、全体を見ながらレベルを上げていければと思っております。
 このような時期に歴史のある秋耕会の会長をお引き受けすることは、身が引き締まる思いです。皆さんに支えて頂きながら、先輩諸氏が築き上げられたこの会を盛り上げて行きたいと考えております。